高校生がバリ島で日本米を育てる理由“何を大切にするか”を問う小さなプロジェクトの大きな意味
- Takahashi Reina
- 6月24日
- 読了時間: 3分

私の家にホームステイしている高校生、ゆず。
彼女はいま、バリ島グリーンスクールで“世界のどこにもない”卒業プロジェクトに挑戦しています。
その名はグリーンストーン(Greenstone)――生徒一人ひとりが自分だけの問いを見つけ、社会課題に本気でアクションするこのプログラムは、人生をかけた挑戦です。
https://note.com/gay_murre3017/n/n5229a4b5b604 ← ゆずちゃんのnoteの記事

■「グリーンストーン」とは
グリーンスクールは、持続可能性(サステナビリティ)を教育の軸に据えた、世界でも特別なインターナショナルスクールです。
その象徴が卒業プロジェクトグリーンストーン。
生徒は数年かけて、自分の“情熱”と“社会の課題”を結び付け、「実際に社会に変化を生み出すアクション」を自ら設計・実践します。
■「田んぼプロジェクト」――きっかけと想い
ゆずが選んだのは、「バリ島の田んぼと農家を守る」こと。
日本の田舎・米農家の孫として育ち、バリ島で目の当たりにした田んぼの急激な減少――毎年、東京ドーム4,200個分の田んぼが消え、農家の暮らしも苦しくなっている現実がありました。
「観光開発や経済成長の裏で、失われていく大切なものを守りたい。」
そんな想いが、このプロジェクトの原点です。
■バリの農家が失われていく“本当の理由”
ここには、数字や現象だけでは語れない根深い課題があります。
たとえば、5アール(約150坪)の田んぼでお米を作っても、農家の手に入る報酬はたった1,500円。
今のバリではスマホ代、バイク代、生活費も高くなり、若い世代は「こんな安月給で苦労する農業を継ぎたくない」と離れていきます。
しかも、どこの国でも似たようなことが起きていますが、政治やブローカーの介在によって、米の利益が末端の農家にまで届かない。
「いくら一生懸命やっても、報われない」
農家が減っていくのは、単なる時代の流れではなく、この“仕組み”に理由があります。
■「米を作って終わり」じゃない――構造を変える
だからこそ、ゆずのプロジェクトは「日本米をバリで作る」だけで終わりません。
作ったお米を、消費者と直接つなぐ「直売」の仕組みを作る
農家に正当な報酬がきちんと届くルートを現地で確立する
農業という“バリの文化の核”を次世代に残す
この「システムそのものを作り変える」ことが目標です。
農業が衰退すれば、バリの文化そのものが消えてしまう。
田んぼと農家を守ることは、単に生計を支える以上に“文化とコミュニティを守る”ことにつながっています。
■“共存”という壮大なテーマ
この挑戦は、「一人の高校生の卒業課題」という枠を超えています。
経済成長や効率化、都市化――その裏で、世界中で「文化」や「自然」や「人」が静かに失われていく。
「豊かさとは何か」「誰かを犠牲にしない社会は実現できるのか」
これは、どこの国、どの時代にも通じる“人類共通の問い”です。
ゆずは今、バリという地でその現場に立ち、「農業」「文化」「経済」の全部が共存できる道を模索しています。
このプロジェクトは、その一つの“駒”に過ぎません。でも、こうした一歩が、社会全体の価値観や構造を少しずつ動かしていくのだと感じています。
■ 未来へのメッセージ
グリーンストーン卒業プロジェクトを通して、
「一人の行動が、仕組みを変え、文化を守り、未来をつくる」
そんな現実を、私は目の前で見せてもらっています。
この取り組みに共感した方は、ぜひシェア・応援・ご連絡ください。
バリ島の話は、けっして遠い世界のことではありません。
今この瞬間も、日本の、世界のどこかで「同じ課題」が進行しています。
「共存できる社会」を目指して。
ここバリ島の田んぼから、ささやかながら未来への挑戦が始まっています。
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