ウブドに誕生した「正統派」の衝撃。The British School of Baliの見学レポート
- Takahashi Reina
- 2025年12月29日
- 読了時間: 6分

バリ島ウブドといえば、グリーン・スクールに代表されるような「オルタナティブ教育」や「自然派」の聖地というイメージが強いかもしれません。しかし今、そのウブドの教育地図を塗り替えるような、非常に興味深い動きが起きています。
今回は、2025年9月にグランドオープンをした、私自身も非常に気になっていたThe British School of Bali (BSB)。 Webサイトの情報だけでは分からない「実際のところ」を確かめるべく、学校見学の依頼があったので現地へ行ってきました。
1. ウブドでは極めて珍しい「ガチ」の英国式
多くの学校が「自然との共生」を主眼に置く中、BSBは「学問的卓越性(Academic Excellence)」を明確に打ち出しています。「バリの自然は享受したいが、学業面では妥協したくない」という層にとって、これは待望の選択肢です。

運営母体の信頼性
ここが個人オーナーの学校と決定的に違うのは、運営母体が英国の非営利団体「The Schools Trust」である点です。北京やクアラルンプールなどで「ティア1(最高水準)」の学校を展開してきた実績があり、教育の質が担保されています。
「厳しさ」と「心のケア」の両立
カリキュラム: 厳格な「イングリッシュ・ナショナル・カリキュラム(ENC)」を採用。読み書きや数学の基礎を徹底するスタイルです。
メンタルケア: 学力偏重にならないよう、イェール大学開発の感情知能プログラム「RULER」を導入。感情をコントロールし、調整するスキルも同時に育てます。
2. 「元ロシア村」から「教育の拠点」への劇的な変化
この学校を語る上で避けて通れないのが、その立地に関する歴史です。BSBは、かつて「PARQ Ubud(通称:ロシア村)」と呼ばれた複合施設の中にあります。その当時、ゾーニングや許認可の問題でトラブルを抱えていたのは在バリの方だったら知っている話です。

なぜ、今は「GO」なのか
状況は劇的に改善されています。現在はバリ島で創造都市「Nuanu」を手掛けるIT富豪、セルゲイ・ソローニン氏が経営権を取得しました。 彼は施設名を「Onyx Park Resort」と改めて再生させたので、学校運営の法的・物理的な安定性は格段に高まったと思われます。
広大な敷地のONYX PARK
「ここが学校?」 エントランスをくぐった瞬間の第一印象は、学校というより、洗練された「未来の村」。
一般的なインターナショナルスクールにあるような高い塀や重厚な門はありません。 おしゃれなカフェ、コワーキングスペース、そして緑豊かな住居エリアが広がる中に、「学びの場」が存在していました。
3. 施設見学:規格外の「遊び場」と「学び場」
案内されてまず驚いたのが、そのファシリティ(設備)の規模感です。
① 圧巻の80mプールとニンジャジム
まず目に飛び込んでくるのが、施設の中央を貫く80メートルのラグーンプール。 「これ、休み時間に泳げるの?」と聞くと、「もちろん。PE(体育)の授業でも使いますよ」との答え。

さらに、子供たちの目は輝かせていたのが「ニンジャジム(Ninja Gym)」。 パルクールのように障害物を越えていく本格的なアスレチック施設です。ただ遊ぶだけでなく、身体能力と挑戦する心を育むための「教育設備」として設計されているのが印象的でした。

② 教室の雰囲気:「静」の空間
外のアクティブな雰囲気とは対照的に、教室エリアに入ると空気は一変します。 バリ島では「壁のない教室(オープンエア)」が人気ですが、ここはあえてエアコン完備の屋内型。
「集中する時は集中する」 英国式カリキュラムらしい、学習へのメリハリを感じさせる設計です。 最新のiPadなどのデジタル機材も整っており、ウブドの森の中にいながら、教育環境は完全に「先進国水準」でした。

4. 授業風景:22名の生徒と先生の距離感
現在(プレオープン期間)、在籍している生徒は22名。 実際に授業の様子を覗かせてもらいました。

生徒数が少ないため、先生は黒板の前で一方的に話すのではなく、子供たちの隣に座り、対話しながら授業を進めていました。 英国人の先生たちは非常にプロフェッショナルで、規律(マナー)を教えつつも、子供たちの発言を否定せずに広げていく。「厳しさ」と「温かさ」のバランスが絶妙です。
まだ人数が少ない分、学年の垣根を超えてみんなが兄弟のように過ごしている風景は、大規模校にはない温かみがありました。

5. 親の視点:「待っている間」が最高
見学中、カフェエリアでPCを開いて仕事をしている保護者の姿を何人か見かけました。
実はここ、同じ敷地内に1,000㎡級のコワーキングスペースがあるんです。 子供を教室に送り届けたら、親は徒歩30秒で自分のオフィス(コワーキング)へ。 お迎えの時間になったら、そのままプールサイドで合流。
バリ島留学で一番のネックとなる「送迎の渋滞ストレス」が、ここでは物理的に存在しません。 「子供のためだけでなく、親である自分の時間も大切にできる」。 そう実感できる環境が整っていました。
また、モダンなアパートメントやヴィラが併設されているのですべての生活をここで送ることもできます。

6. 現在の状況と将来のロードマップ
「現在、生徒数は22名」と聞くと少なく感じるかもしれませんが、これは2025年9月のグランドオープンに向けた「ソフトローンチ(プレ期間)」だからです。 現在は少人数であることを活かし、教師と生徒の密なコミュニケーションが行われている、ある意味で非常に贅沢なフェーズです。
【今後のロードマップ】
2025年9月: プライマリースクール(2歳〜11歳)正式開校。
2026年4月: 専門的な学習スペースを備えた新校舎が完成予定。
2026年9月: セカンダリー(中等部)開設。将来的には18歳までの一貫校へ。
7. 今後の展開と正直な感想
もちろん、まだ始まったばかりの学校です。 2026年の新校舎完成に向けて、敷地の一部では工事が進んでいるエリアもありました。
「実績のある学校がいい」という方には、歴史の浅さが気になる点かもしれません。 しかし、お話を聞いた校長先生やスタッフの熱量、そしてThe Schools Trustという強固なバックボーンを考えると、ここが数年後にウブドの教育の中心地の一つになる可能性は極めて高いと感じました。
【レポートまとめ】
向いている人:
ウブドの自然は好きだが、虫や暑さが苦手で、快適な教室で勉強させたい方。
英国式のしっかりとした学習カリキュラムを求める方。
親もリモートワークなどで、職住近接の生活を望む方。
もしウブド方面へ行かれる際は、学校見学(スクールツアー)を旅程に入れてみてはいかがでしょうか? BALI STUDYでは、見学のアレンジや同行もサポートしています。https://www.bali-study.com/school-tours
「ウブドの新しい風」を、ぜひ肌で感じてみてください。



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